カンボジアオペラプロジェクト2023 Cambodia Opera Project 2023
~ オペラ『蝶々夫人』をカンボジアで ~

画像:mezzo.tv serious-stageing.com telegraph.co.ukより引用
2023年は日本カンボジア友好70周年にあたります。カンボジアオペラプロジェクトでは『ベルサイユのばら』の作者として知られる世界的劇画作家、池田理代子氏を演出家に迎え、新しい演出でイタリアで生まれたオペラという芸術の世界とカンボジア、日本の融合、人生の尊さと儚さなどのオペラが伝えようとする普遍性を世界遺産アンコールワットの美しい舞台や衣装と共に表現します。そして日本カンボジア友好70周年に花を添えたいと思います。
●背景と概要
カンボジアオペラプロジェクトは2017年5月から日本カンボジアの文化交流を目的に、定期的にオペラワークショップ、マスタークラス、コンサート、オペラ上演などを開催して参りました。
2018年にはカンボジア日本友好65周年記念事業として、カンボジア王国初の本格オペラ上演、マスカーニ作曲のオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』を上演し、大成功を収めました。また、2019年には第二回公演、レオンカヴァッロ作曲『パリアッチ』を上演、しかしながら新型コロナウィルスの世界的流行により以降は公演を行えておりません。
2023年はカンボジア日本の友好70周年にあたります。この機会に「カンボジアオペラプロジェクト2023」として、プロジェクトを再開し、2月、8月、12月に多様な形でワークショップと公演を行います。
●理念
2017年のプロジェクト発足以来、「音楽専修者への基礎教育」「より高度な知識と演奏技術を持つプロとしての音楽家の育成」を目標に現地の声楽専修者やオーケストラなどに向けたワークショップの定期的な開催や、オペラの公演での共演を行って参りました。長期的な視点で、世界レベルで活躍できる演奏家や団体の輩出を目指しております。2023年には今まで共演してきたカンボジア人音楽家たちにより発足した現地のオーケストラ団体と共演をし、カンボジア人音楽家の活躍の一助を担い、カンボジア日本両国の更なる友好を音楽の分野から深めたいと思います。
●オペラプロジェクトの意義
オペラは1600年代の初頭にイタリアで生まれた舞台芸術です。そこから世界各国へ広がり、今や文化芸術の頂点としての役割は絶大で、各国家の文化水準のバロメーターとしての役割を担い、各国 のオペラ劇場や国際フェスティバル等が公演の質を競い合っております。オペラは人の生きる為の全ての要素である五感を刺激し、オペラを創造することは、良き価値観、地域性、伝統、そして台本から読み取れるストーリーと、その背景にある普遍性を具現化することです。また公演は演奏家以外に舞台スタッフ、照明、衣装、ヘアメイクなど多くの力で成り立っています。日本におけるオペラ文化はヨーロッパから遅れる事、数世紀。しかし日本は今や本場ヨーロッパに人材を輩出するまでの発展を遂げています。日本カンボジア友好70周年の2023年にこれらの経験をカンボジアに生かすべく、できる限り多くを供与したいと考えます。また今後は視野をASEANに広げ、カンボジアからASEANオペラプロジェクトとして展開したいと思います。
<カンボジアオペラプロジェクト2023 スケジュール>
カンボジアオペラプロジェクト2023では12月の蝶々夫人の公演に向けて、2月、8月と段階的にオペラの魅力、楽しみ方を伝えるコンサート、ワークショップ、1幕の短いオペラの上演を行います。ここでは観客だけではなく現地の演奏家と共演することによりオペラに触れる機会をより多く持ってもらい、12月の蝶々夫人全曲上演に向けた意識と技術の向上を目指します。また公演の前後では蝶々夫人の公演に向け、オーディションやカンボジア人歌手、オーケストラ奏者とのリハーサルなども行います。
●1stプロジェクト 2023年2月26日(予定)
池田理代子の「オペラを楽しむワークショップコンサート」(仮タイトル)
カンボジア日本人材開発センター(CJCC)主催の「日本カンボジア絆フェスティバル」に参加。オーケストラ伴奏またはピアノ伴奏による解説付きオペラコンサート。主にカンボジア人の若者に向けて、『ベルサイユのばら』の作者として知られる劇画家の池田理代子氏の演出と解説でオペラ鑑賞の楽しみかたを学ぶ場を提供する、ワークショップコンサート。
【出演】クオン・セティサック(カンボジアを代表するテノール歌手)
岩﨑 愛、村田孝高、飯坂 純、他
【会場】プノンペン市内CJCC絆ホール
●2ndプロジェクト 2023年8月11日、12日
ペルゴレージ作曲 オペラ『奥様女中』とオペラティックコンサート
1幕の短いオペラ『奥様女中』と合唱曲を含むオーケストラ伴奏のオペラコンサート。オペラ史において「ブッフォン論争」という論争を巻き起こした、コミカルな1幕の幕間劇、『奥様女中』。笑いと皮肉は万国共通であり、カンボジア語のセリフを交えながらオペラへ親近感を抱いてもらうのを期待する。
【出演】増原英也、岩﨑 愛、飯坂 純、カンボジア現地のオーケストラ団
【会場】プノンペン市内ダイヤモンドアイランドシティーホール
●3rdプロジェクト 2023年11月下旬から12月上旬
プッチーニ作曲 オペラ『蝶々夫人』
日本カンボジア友好70周年文化交流事業「ジャパンウィーク」にて公演予定。またオペラの本場イタリア政府機関の文化交流事業とも提携し、各国から参加する世界水準の演奏家と共に、カンボジアのシンボルとも言える世界遺産アンコールワットのある街シェムリアップで、日本を舞台にしたイタリアオペラ『蝶々夫人』を池田理代子氏による新たな演出で上演する。また同プロダクションをプノンペン市内ダイアモンドアイランドシティーホールでも上演。
シェムリアップ市内会場 約500席
プノンペンダイアモンドアイランドシティーホール 約1000席
指揮 :マルコ・ティトット
演出 :池田理代子
ソリスト :藤井泰子、村田孝高、クリスティアン・リッチ、岩﨑愛
クオン・セティサック、ウン・マーティン、他
オーケストラ:カンボジアオペラプロジェクトスペシャルオーケストラ
合唱 :カンボジア在住者と日本、イタリアからの参加者の有志により編成
その他 : カンボジア伝統舞踊団
2017年に立ち上げたカンボジアオペラプロジェクト。これまでに多くのワークショップや学生やユースオーケストラの指導などをおこなってきました。2018年9月27,28日 プノンペンにて、カンボジア初の本格オペラ公演、カンボジアオペラプロジェクト2018「カヴァッレリア・ルスティカーナ」を上演し、 約700人の満員の観客からスタンディングオベーションの喝采を受けました。また9月27日の学生向け公演はカンボジア国営放送の特別番組 として、全曲が放映されました。2019年「パリアッチ」にはカンボジアのサーカス団と共演。迫力のある舞台になりました。この年にも国営放送に全曲放送されました。